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経営破たんする会社を掴まない方法(決算分析)

久々に決算分析です^^
staygoldさんの先日の記事⇒『みらい建設とマキ製作所を四季報で見てみる。』 に触発されました。

実際に経営が破綻した企業を分析することは、個別株投資家にとって決して無駄になりません。反面教師の意味でも、こうした会社に投資することの無いように基本は抑えておきたいところです。

左図は、みらい建設の19年3月期決算の貸借対照表を簡潔にまとめたものです。同じ題材を使用して、ちょっとだけ違った視点でみてみます。

参考:みらい建設19年3月期本決算 決算短信(P8〜10)

参考記事:貸借対照表の見方(ブログ内記事)

まず、この貸借対照表をみて気が付くことは、表の右側の『純資産・負債計』に占める負債の多さでしょう。会社が保有する総資産の内、株主の持分である『株主資本』の割合(1,509÷62,599)はわずか2.4%しかありません。
この割合のことを『株主資本比率』といいます。
※四季報では『株主持分比率』として表示されていて、その比率は3.1%となっていますが、ちょっと難解な表現を使えば『評価・換算差額』を含めるか含めないかの違いです。どちらを使っても大勢に影響はありません。


株主資本比率が10%を割り込んでいる会社には投資(NOT投機)してはいけません。
どんなに低くても30%以上は欲しいところです。staygoldさんも記事で述べられてますが、50%以上が理想です。

この会社は多額の負債があります。四季報に掲載されていた有利子負債の金額は163億円となっています。ですが負債は資産と違って、計上されている金額(約606億円)の多くの部分がキャッシュ(現金)の支出を予定されているものであり(例えば、支払手形、未払金といった近いうちに現金での支出が必要となるものの合計を含めると約500億円となります。)、この金額を補填するだけの金銭的な裏づけが必要となります。

この負債を返済するための原資である『資産』をみてみると、流動資産が約500億円ありますが、その内現金預金は約75億円、その他の流動資産は現金化が容易でない建設工事の未完成部分に係る売掛金等となっています。
流動資産以外のその他の資産としては有形固定資産(土地・建物)として約28億円保有株式の時価評価が約62億円あります。
保有する有形固定資産28億円については購入後月日が経過していますので、売却したとしてもほとんど無価値でしょう。
そう考えると、すぐに現金化できる資産は、
・現金預金75億円
・投資有価証券62億円(最大で)
の140億円程度しかありません。流動資産の内、現金以外の未完成工事に係る部分の売掛債権をいくらか回収できたとしても200億円に満たないでしょう。会社の営業資金(給与とか)をいくらか手元に残しておかなければならないことを考えると、これでは到底会社経営はできません。

倒産実際の会社の資金繰りの状況は、キャッシュフロー計算書をみると明らかになります。
四季報でも直前の決算期の分と来期予想のキャッシュフローの金額が掲載されているのですが、決算短信や過去の四季報に掲載されている過去の決算期のキャッシュフローの推移をみておくことも重要。
18年3月期のフリーキャッシュフローは約29億円のマイナス。ここがマイナスの会社に対しても投資はしない方がいいと思います。
営業キャッシュフローが大幅なマイナス、投資キャッシュフローがプラス、財務キャッシュフローがプラスというこの会社のキャッシュの状況は、考えられうる最悪の状態です。
参考⇒キャッシュフロー計算書とは2
キャッシュフローがこういう状態になっている上場企業には滅多にお目にかかれませんので、そういった意味では大変貴重な存在といえるかもしれません^^;

会社が倒産してしまっては元も子もありません。銘柄を検討する際にまず見ておくべきことは、キャッシュフローの状況、株主資本比率、貸借対照表から導きだす各種財務指標。その後に損益状況や各種株価指標をみていけばいいと思います。
短期投資なら話は別ですが、中長期投資においては、検討に際して多少の手間隙を惜しまない方がいいです。



21:55 | 会計・会社法 | comments (9) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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Comments

#
営業キャッシュフローが会社経営を見るにあたって一番判りやすいと思います。
企業はビジネスありきで、ビジネスがしっかりしてれば資金調達も容易でしょうし。

みらい建設は最近一気に株価を下げましたね
ここまで下がるリスクを考えると・・・
投機するのもどうかと思います。
by: 草矢 | 2007/10/04 22:34 | URL [編集] | page top↑
# こんばんは★
>草矢さん

全く仰る通りです。企業経営での資金の純収支示す営業キャッシュフローはかなり重要で分かりやすい指標です。
加えて、会社が継続して利益を得るための手段を獲得するために行う新規投資のための支出(投資キャッシュフロー)も重要ですが、あくまでも営業面でのキャッシュフローの純収支と合算してもプラスで収まる範囲内で抑えることが重要ですね(つまりフリーキャッシュフローをプラスにすること)。

私は投資キャッシュフローがマイナスの状態が多い会社もあまり好きではありません^^
(例えばサイバーエージェントとか)
by: ぐっち | 2007/10/05 00:26 | URL [編集] | page top↑
#
3月の時点で資金ショート寸前なのが伝わってきます。

実際に資金繰りを会社でやってますが、現預金比率が
これだけ低く、流動負債がその数倍となると、どうし
ようもありません。流動負債も曲者ですが、未完成の
工事売掛金も曲者ですね。支払と回収のタイムラグが
酷いと思います。
by: MG | 2007/10/07 01:22 | URL [編集] | page top↑
#
MGさん、こんにちは^^

仰るとおり、建設業界の常とはいえ、長期工事の売掛金の回収は曲者ですね。業績が良い時はなんとかなるのですが、一度経営につまずくと一気に資金繰りが苦しくなります。
会計上の利益の大きさを見ることはもちろん重要なのですが、実際にいくらの純キャッシュフロー収入があるかを見ることもそれと同じか、それ以上に重要ですね。
私も、会計や経営内容などを検討分析する仕事をしていますので、株式投資の際にも真っ先にこれらに目が行ってしまいます^^;
by: ぐっち | 2007/10/07 15:34 | URL [編集] | page top↑
# こんばんは
こんばんは。今回はstaygoldさんの記事のトラックバックから来ました。

staygoldさんオススメの通り、すごくわかりやすくかつ詳しい分析ですね。
そのまま経営分析の本の一部に使えそうです。
これからも勉強させていただきますm(_ _)m

P.S.カテゴリ別全記事表示は現在格闘中です・・・。
by: ライト(管理人) | 2007/10/07 20:42 | URL [編集] | page top↑
# ↑上のコメントですが
自分のブログのクッキーが残っていたため、投稿者の名前がライト(管理人)となってしまいました。
大変失礼いたしました。

お手数ですが、修正いただければ幸いです。
by: ライト | 2007/10/07 20:47 | URL [編集] | page top↑
#
>ライトさん
こんばんは^^

staygoldさんのところから来て頂いたのですね。ありがとうございます!私も株をはじめる前に読むブログではいろいろなことを勉強させてもらってます。

名前の件ですが、コメントの修正の方法が分かりませんでしたので、そのままにしておきますね^^
(私もやっちゃったことあります♪)
by: ぐっち | 2007/10/07 23:47 | URL [編集] | page top↑
# こんばんは
ぐっちさん

こんばんは。

>名前の件ですが、コメントの修正の方法が分かりませんでしたので、そのままにしておきますね。

確かに、コメントの修正方法ってわかりませんね。全く消してまた新たに作り直すしかなさそうです。
次回からは修正PASSを念のため入れておくことにします(汗)
このたびは失礼しました。

また、ぐっちさんの助言のおかげで念願の「サイトマップ」(カテゴリ別全記事表示)ができました!
本当にありがとうございます。

あともしよろしければ、相互リンクしていただけないでしょうか?
これからもどうかよろしくおねがいします。
by: ライト | 2007/10/08 20:07 | URL [編集] | page top↑
#
>ライトさん

こんばんは^^
サイトマップ出来てますね!!
良かったですね♪紹介した甲斐がありました。

PS;こちらからもリンクを貼らせて頂きました。
よろしくお願いします。
by: ぐっち | 2007/10/08 22:29 | URL [編集] | page top↑

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