03.08.2008
私の割安株探し(利益面から検討編)
このシリーズの第5回です。バランスシートの検討が終わったら、次は会社の利益面に着目して検討していくことになります。
-第一回 私の割安株探し(イントロデュース編)
-第二回 私の割安株探し(とにかく探してみる編)
-第三回 私の割安株探し(バランスシート検討編1)
-第四回 私の割安株探し(バランスシート検討編2)
一般的な金融バリュエーション体系においては、投資価値としての会社の適正株価は将来利益の現在割引価値として説明されているものがほとんどです。
つまり、式で表すと
であり、例えばPERが20倍の場合、右辺のディスカウントレートは0.05つまり利回りが5%となり、同様にPERが10倍の場合のディスカウントレートは0.1で利回りは10%となります。
何が言いたいかといいますと、PERが低いほど投資利回りは高くなりますが、これは分母のディスカウントレートが大きくなるためです。ディスカウントレートは投資リスク−企業の成長性で示されることから、分母が大きい理由は言い換えれば投資リスクが大きかったり企業の成長性が大きくないと投資家の多くの人々が判断しているからです。リスクが大きい金融商品の利回りが高くなるというのは当然のことですね。
ですが、割安株投資において探すべき銘柄は割安かつ安全領域の大きいものです。割安でありながら投資リスクが低く、企業の成長性も低くない銘柄を探すことになるわけで、通常であればこれはなかなか見つかりません。
ところが相場全体が何らかの力に作用され、一方に大きくブレた時こそ、こうした銘柄に投資できる大きなチャンスが生まれます。
前置きが長かったですが、ディスカウントレートを構成する投資リスクについては前回行ったバランスシートでの検討が重要なのですが、企業の成長性や利益面からについては損益計算書からの検討が必要となります。
-第一回 私の割安株探し(イントロデュース編)
-第二回 私の割安株探し(とにかく探してみる編)
-第三回 私の割安株探し(バランスシート検討編1)
-第四回 私の割安株探し(バランスシート検討編2)
一般的な金融バリュエーション体系においては、投資価値としての会社の適正株価は将来利益の現在割引価値として説明されているものがほとんどです。
つまり、式で表すと
| PER=1÷ディスカウントレート(ディスカウントレート=投資リスク−企業の成長性) |
何が言いたいかといいますと、PERが低いほど投資利回りは高くなりますが、これは分母のディスカウントレートが大きくなるためです。ディスカウントレートは投資リスク−企業の成長性で示されることから、分母が大きい理由は言い換えれば投資リスクが大きかったり企業の成長性が大きくないと投資家の多くの人々が判断しているからです。リスクが大きい金融商品の利回りが高くなるというのは当然のことですね。
ですが、割安株投資において探すべき銘柄は割安かつ安全領域の大きいものです。割安でありながら投資リスクが低く、企業の成長性も低くない銘柄を探すことになるわけで、通常であればこれはなかなか見つかりません。
ところが相場全体が何らかの力に作用され、一方に大きくブレた時こそ、こうした銘柄に投資できる大きなチャンスが生まれます。
前置きが長かったですが、ディスカウントレートを構成する投資リスクについては前回行ったバランスシートでの検討が重要なのですが、企業の成長性や利益面からについては損益計算書からの検討が必要となります。
STEP3:損益計算書からの検討
利益面から会社を検討する場合には企業の損益計算書を使います。貸借対照表の場合もそうですが、損益計算書を検討する際には会社HP内にある決算短信やEDINETに掲載されている有価証券報告書をみていくことになります。
損益計算書の基本的な検討方法については当ブログの過去記事
損益計算書1 損益計算書2を参照して下さい。
[企業の利益を把握する]
まずはその会社の「利益」を正確に把握することから。
参照するものは、有価証券報告書と決算短信です。有価証券報告書からは第一部【企業情報】にある【主要な経営指標等の推移】から過去5年分の主要なデータを拾います。また、会社HPにある決算短信からも来期予想の主要指標が発表されていれば拾います。
ここでは試しに、(3738)テレパークという会社について検討してみます。
参照:会社HPより、2008年3月期 第3四半期 財務・業績の概況(PDF)
参照:EDINET
この表で抜粋した指標の推移を検討することは利益面から会社を検討する場合に避けれません。この会社の場合だと、売上高や営業利益は順調に伸びているようにみえますが、ROEや売上高営業利益率の推移からは違った見方もできるかと思います。ROEは効率的な経営を行っているかをみるものであり基本的に高いほど効率的であると考えられるもので、売上高営業利益率は会社が本業で稼ぐ力を表すものでこれも高い方がいい。
さらにはこの2つの指標が継続して改善されていれば尚更よく、会社経営陣の利益追求に対する取り組みや株主に対する会社の姿勢なども推し量ることができると考えられます。過去の推移を見るかぎり、この会社の営業利益率は2%の維持がやっとの状況で、これ以上の高望みはできないのかもしれませんね。ROEが右肩下がりであるというのも気になるところです。
[PERの検討]
企業の利益を把握したところでPERで検討します。
3月7日現在の東証1部上場企業の平均PER(予想)は14.99倍ですが、銘柄スクリーニングをかけてみるとこれよりも随分低いPERが付いている銘柄が沢山あります。
ところでPERの計算式は、
で示されるように会社の当期純利益がベースとなっていますが、これがクセモノです。当期純利益には一時的な特別損益(土地や子会社の売却損益など)も含まれるため、ある年だけ利益が膨張するとPERも大幅に低下してしまうことがあります。
ですので、前のステップで行ったように過去数年分の利益水準の推移をまとめておくことが重要で、営業利益や経常利益と比べて当期純利益(当期利益)が大幅に異なる場合は要注意。スクリーニングで引っかかった低PER銘柄の中にも、こうしてかさ上げされたものが多く紛れ込んでいます。利益がぶれた原因が一時的なものなのか、そうでないのかを知ることは重要です。必ず有価証券報告書や決算短信で確認すべきです。
テレパークの例だと、特に収益のぶれが無いにも関わらず3月7日現在で予想PERは7.20倍となっていて超低水準だといっていいと思います。
この記事冒頭で紹介したディスカウントレートの式に当てはめると、
つまりテレパークに投資するということは、利回り13.9%の金融商品に投資することと同じことです。
なぜこうも安いのか、割安であると判断してもいいのか?これは次回に書きます。
[他社との比較]
私の場合はこれらの指標を同業種の主な会社と比較して眺めます。例えば製薬業界ならば、武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイといった国内大手との比較だけでなく、ファイザーやノバルティス、グラクソ・スミスクラインなどの欧米の大手とも比較します。
外国人の売買シェアが7割を超える現在、国内だけでの検討で全てが完結する時代ではありません。外国人投資家は世界中の同業種企業と比較し、投資決定をおこなっていますので当然ですね。例えば私は武田薬品に投資していたのですが、ファイザーなどとと比較した場合の割高感が気になり、売却しました。
PERにしろ、売上高営業利益率にしろ、同業他社と比較することで見えてくるものもあり、場合によっては比較対象とした会社の方が魅力的だったりすることもあります。
利益面から会社を検討する場合には企業の損益計算書を使います。貸借対照表の場合もそうですが、損益計算書を検討する際には会社HP内にある決算短信やEDINETに掲載されている有価証券報告書をみていくことになります。
損益計算書の基本的な検討方法については当ブログの過去記事
損益計算書1 損益計算書2を参照して下さい。
[企業の利益を把握する]
まずはその会社の「利益」を正確に把握することから。
参照するものは、有価証券報告書と決算短信です。有価証券報告書からは第一部【企業情報】にある【主要な経営指標等の推移】から過去5年分の主要なデータを拾います。また、会社HPにある決算短信からも来期予想の主要指標が発表されていれば拾います。
ここでは試しに、(3738)テレパークという会社について検討してみます。
参照:会社HPより、2008年3月期 第3四半期 財務・業績の概況(PDF)
参照:EDINET
| 3738テレパークの主な指標 (※20年3月期は会社予想) | 指標 | H16年3月 | H17年3月 | H18年3月 | H19年3月 | H20年3月 |
| 売上高 | 182,504 | 279,909 | 300,748 | 355,401 | 408,000 |
| 営業利益 | 4,168 | 5,255 | 6,282 | 7,314 | 7,700 |
| 経常利益 | 4,257 | 5,256 | 6,310 | 7,330 | 7,700 |
| 当期利益 | 2,400 | 2,984 | 3,547 | 4,115 | 4,350 |
| 1株利益 | 32,463 | 18,112 | 10,704 | 12,507 | 13,204 |
| 1株純資産 | 93,000 | 67,301 | 40,507 | 48,945 | - |
| ROE(%) | 40.7 | 33.1 | 29.1 | 27.9 | - |
| 売上高営業利益率(%) | 2.28 | 1.88 | 2.09 | 2.06 | 1.89 |
この表で抜粋した指標の推移を検討することは利益面から会社を検討する場合に避けれません。この会社の場合だと、売上高や営業利益は順調に伸びているようにみえますが、ROEや売上高営業利益率の推移からは違った見方もできるかと思います。ROEは効率的な経営を行っているかをみるものであり基本的に高いほど効率的であると考えられるもので、売上高営業利益率は会社が本業で稼ぐ力を表すものでこれも高い方がいい。
さらにはこの2つの指標が継続して改善されていれば尚更よく、会社経営陣の利益追求に対する取り組みや株主に対する会社の姿勢なども推し量ることができると考えられます。過去の推移を見るかぎり、この会社の営業利益率は2%の維持がやっとの状況で、これ以上の高望みはできないのかもしれませんね。ROEが右肩下がりであるというのも気になるところです。
[PERの検討]
企業の利益を把握したところでPERで検討します。
3月7日現在の東証1部上場企業の平均PER(予想)は14.99倍ですが、銘柄スクリーニングをかけてみるとこれよりも随分低いPERが付いている銘柄が沢山あります。
ところでPERの計算式は、
| PER=株価÷EPS(1株当たり利益) EPS=当期純利益÷発行済み株式数 |
ですので、前のステップで行ったように過去数年分の利益水準の推移をまとめておくことが重要で、営業利益や経常利益と比べて当期純利益(当期利益)が大幅に異なる場合は要注意。スクリーニングで引っかかった低PER銘柄の中にも、こうしてかさ上げされたものが多く紛れ込んでいます。利益がぶれた原因が一時的なものなのか、そうでないのかを知ることは重要です。必ず有価証券報告書や決算短信で確認すべきです。
テレパークの例だと、特に収益のぶれが無いにも関わらず3月7日現在で予想PERは7.20倍となっていて超低水準だといっていいと思います。
この記事冒頭で紹介したディスカウントレートの式に当てはめると、
| 7.20=1÷ディスカウントレート ディスカウントレート≒0.139、利回り≒13.9% |
なぜこうも安いのか、割安であると判断してもいいのか?これは次回に書きます。
[他社との比較]
私の場合はこれらの指標を同業種の主な会社と比較して眺めます。例えば製薬業界ならば、武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイといった国内大手との比較だけでなく、ファイザーやノバルティス、グラクソ・スミスクラインなどの欧米の大手とも比較します。
外国人の売買シェアが7割を超える現在、国内だけでの検討で全てが完結する時代ではありません。外国人投資家は世界中の同業種企業と比較し、投資決定をおこなっていますので当然ですね。例えば私は武田薬品に投資していたのですが、ファイザーなどとと比較した場合の割高感が気になり、売却しました。
PERにしろ、売上高営業利益率にしろ、同業他社と比較することで見えてくるものもあり、場合によっては比較対象とした会社の方が魅力的だったりすることもあります。
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