TOP > 投資一般 > 日本株の買い手の考察

■ 日本株の買い手の考察
2008.01.12 このエントリーを含むはてなブックマーク 

東証が2007年の投資部門別の売買状況を発表しましたので、過去の分もまとめて一覧にしてみました。
まとめようと考えた動機は、FujiSankei Business i. 2008/1/11で以下のような記事を見つけたからです。
東京証券取引所が10日発表した集計によると、売買代金を差し引いた株式売買動向で、個人投資家は3兆2288億円の売り越しとなった。売り越し額は過去5番目の大きさ。
 個人の売り越しは、米国のサブプライム(高金利型)住宅ローンの焦げ付き問題に端を発した市場の混乱が原因。「米国経済に不透明感が増し、国内景気の先行きに不安を感じる個人が増えた」(日興コーディアル証券)ため、9月以降は日本株売りに歯止めがかからなかった。

記事にはこう書いてありますが、特段サブプライム問題に結び付けなくても、個人の売りこし額が大きいのは毎年のことで、むしろ2007年は2006よりも売り越し金額は減っています。 むしろ注目すべきは別のところにあると思います。

投資部門別売買状況(5年分)主体別売買動向(5年)
・上記データは三市場(東証、大証、名証)の1・2部とマザーズ、ヘラクレス、セントレックスの売買代金を集計したもの
・単位100万円


主体別売買動向(5年)図

主体別売買差額の5年分データ
ここから分かるのは、日本市場における外国人の存在感が急速に増してきていること。過去5年間一貫してシェアを上げ続け、2007年ではついに売買シェア60.9%にまでになっています。
さらに、日本人(個人及び法人)は一貫して売りの方が買いよりも多い状況(つまり売りこし)であるのに対して、外国人は5年連続して買い越しが続いています。(ただし、「法人」はあと少しで買い越しになるところにまで迫っています。)
FujiSankei Business iにおいては個人投資家の売り越し額(3兆2288億円)の大きさにもスポットを当ててますが、別段驚くべき数字ではないということが過去との比較で分かるかと思います。むしろ、注目すべきは個人の売買代金が前年の水準を下回ったこと

2003〜2006年にかけて、個人の売買金額は大きく伸び続けましたが、これはこの期間の日本の株式市場が好調だったことにあると思います。
【2003−2007年の日経平均株価の推移】
2003年以降の順調な相場状況を反映し、個人の売買シェアも2005年には38.0%にまで上がりました。ところが、2007年は5年ぶりに日経平均株価が前年を下回るという軟調な展開だったことが影響し、個人のシェアが大きく落ち26.0%となっています。この結果は個人投資家の退場者が多く出た事を如実に示していると思います。

それにしても外国人の存在感の増大が意味するところは何なんでしょう。考えさせられますね。

日本株の買い手の考察(法人・投資信託編)へ続く





コメント

こうやって見ますと外国人投資家と言うのは、
一方でこけても、しっかりと投資をしていますね。
そこらへんの強さは見習いたいと思います。タフですね...

それにしても、市場の心理というのは難しいと数字をみて思います。

2008.01.14 Mon 15:39 | URL | かえる[ 編集 ]

かえるさん、こんばんは。
その通りだと思います。外国人投資家はタフです。
日本に投資する外国人は法人も個人も昨年は買い越しています。
これには正直驚きました。

2008.01.14 Mon 19:51 | URL | ぐっち[ 編集 ]

日本株の外国人買いの推移について

ブログをしているものですが、大変興味深いので、参考にさせていただいております。貴ブログでは、外国人の投資家の日本買いの意欲は衰えず、逆に、日本の法人・個人投資家の株離れが傾向として認められると説明されているようなのですが、そういう理解でいいのでしょうか。投資信託に限っているからそうなるのでしょうか。なお、私のブログでリンクを張りたいのですが、差し支えないでしょうか。

2008.01.20 Sun 11:21 | URL | fukuganjirou[ 編集 ]

fukuganjirouさん、はじめまして。
外国人投資家の日本株への投資金額の増加は過去の結果が示すように大幅に伸び続けています。これは事実ですが将来がどうなるかは分かりません。例えば、個人投資家の売買金額の減少を誰も予測できなかったことと同じことです。
私は外国人投資家が日本に投資を続ける限り、日本市場はまだ魅力があるのだと思ってます。
リンクの件はOKですよ♪


2008.01.20 Sun 21:17 | URL | ぐっち[ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
    (copyボタンはIEのみ有効です)
«  | ホーム |  »

最近のおすすめ

チベット旅行記〈上〉 (白水uブックス) チベット旅行記〈上〉  本ブログレビュー
河口 慧海 / 白水uブックス 2004/08
明治の仏僧慧海による最強の冒険記。こんな無茶な旅行記は見たことないですが、読後に得たものがいろいろあった。本ブログ経由で最も売れた本です。
ベーシック・インカム入門 (光文社新書) ベーシック・インカム入門   本ブログレビュー
山森亮 / 光文社  2009/2
話題のベーシック・インカムについての基本的な理解はこれ一冊で大丈夫。もう少し詳しく知りたい方は上記レビュー末尾に挙げた本がおすすめです。