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外部圧力が会社経営を効率化させ市場価値を上げる

自分が投資した会社が効率的な経営を行っているかは誰でも気になるところですが、その際よく参照する指標として、ROAやROEがあります。
元手(資本)に対してどれほどのリターン(利益)を獲得したかを図る指標で、株式を金融商品としてみる以上は必ず抑えておかなければならない部類に入ると思います。

ところで、私は感覚的に、持ち合い株の多い企業は外部に対する緊張感が薄れるために経営効率が悪いとか、外資やファンドの出資割合が高い企業はその逆で効率的な経営を行っているか又は今は効率的でなくても今後改善されるのでは?という期待感を持ちますが、この認識が正しかったことが実証されました。

下図はニッセイ基礎研REPORT 2008年2月号 【株主構成の変容とその影響】(PDF)で参照されていたデータを私が引用しまとめたものです。
この調査は株主の属性の分類分けを行い、その株主がある会社の株式の保有比率を1%を増加させた場合のROAの変化率と市場評価(トービンのQ)の変化率を調査したものです。

ROA トービンQ比較
※分析期間は1997〜2006年までの10年間で、東証、大証、明証の1部上場企業が対象
※ROA=純利益÷総資産(株主資本+総負債)・・・経営の効率性を示す
※トービンのQ=(株式時価総額+総負債)÷総資産・・・市場の評価を示す
※上図ROA変化率の"持合株式" "金融機関" "機関投資家"以外のデータについては統計的に有意でないとの記載があるが参考までに掲載
※下図トービンのQ変化率の"金融機関"のデータは統計的に有意でないとの記載があるが参考までに掲載


まず上のROA変化率をみると、持合株式や金融機関の保有比率が増加した場合には大きく経営の効率性が低下することがわかります。これらの株主は安定株主として機能し、経営陣に対して物言わぬ株主ですので、経営に対する緊張感が緩むためでしょう。
一方で機関投資家の保有比率が増加した場合には大きく効率性が上がっています。機関投資家には外国人も含まれますが、外部の圧力が経営者に緊張感を与えることで会社の経営も効率的になることがわかります。
下の市場の評価も同じような傾向にあり、機関投資家の保有比率が上がれば市場の評価もプラスに働きますが、持合株式や(従業員)持株会などの安定株主の保有比率があがれば市場での評価は厳しいということです。

外部(機関投資家や外国法人)の投資が活発な会社は経営者に適度な緊張感を与え、経営的にも市場の評価にもプラスの効果があるにも関わらず、こうした株主の声を無視したり、極度に警戒している経営者には気をつけた方が良さそう。
それに加えて株式持合を活発化させているような経営者は、株主にとって"敵"以外の何者でも無いのでは?



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