ついに政府が英TCIにJパワー株買い増しの中止を勧告
当ブログで過去2回記事にした、英ファンドTCIのJパワー(電源開発)に対する株式買い増しを巡る動きですが事実上決着がつきました。
|
[過去記事] ・電源開発(Jパワー)VS英ファンドTCI ・外資規制に思う |
政府は本日(4月16日)、外為審が「公の秩序の維持が妨げられるおそれがある」との意見をまとめたことをうけ、英投資ファンドTCIに対して、Jパワー株の買い増し計画を中止するよう勧告しました。
今回浮き彫りになった問題点としては、「公の秩序の維持」とは一体どういった事態を想定しているのかが明確でなかったことに尽きると思います。
外為法において文言上の規定は存在するものの、実際に判定機関である外為審において審議されたことがこれまで一度も無いために参考にすべき"前例"が存在しませんでした。
外為審外資特別部会の意見のポイント(産経MSNより抜粋引用)
|
1、対内直接投資は、わが国の経済的発展のためには、積極的導入が極めて重要。開放された市場は維持されなければならない。 2、わが国を含め多くの国が電気事業を「OECD資本移動自由化コード」に基づく対内直接投資規制の対象分野としている。 3、TCIによるJパワーの株式追加投資が行われた場合、わが国の送電線をはじめとする基幹設備の計画・運用・維持、原子力・核燃料サイクル政策の実施に不測の影響が及ぶ可能性を否定できない。 4、本件投資によって、公の秩序の維持が妨げられるおそれがあると認められ、政府による適切な対応を求める。 |
逆に考えれば、TCIのような投資ファンドではなく、外国資本の事業会社が長期的な利益追求を目的として投資を行う場合には拒否できる理由がないことになります。今回の外為審の判断で基準をある程度明確に示し、今後の指針となる"前例"を作ったことは一定の評価ができると思います。
私は外資を一律に規制することには大反対ですが、全てで自由な売買を可能にすればいいとも思いません。投資ファンドの中には短期的なリターンを追及するのものが多いのは確かにその通りかもしれません。ですが、それが日本にとって悪影響を与えるとは全く思いませんし、むしろ彼等を一律で排除することのほうが不利益は大きいでしょう。
とはいえ、業種によっては彼らに投資され、短期的な成果を求められることで"国益"を損なうものも確かに存在するのかもしれません。
もっとも、そうであるならば、そうした会社は初めから上場なんかするべきでないということにもなるわけですが・・。
|
電源開発が、株主によって「公の秩序の維持が妨げられるおそれがある」会社なら、最初から上場させないのが筋であって、上場しているからには、誰でもその株を売買できなければフェアじゃないと思ってしまいます。 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーさんより引用 |
多くの報道機関で、今後海外で「日本は閉鎖的」との批判が出てくるとの指摘がありますが、原子力(発電)などに対する外資規制は海外(※1例えば米国)でも存在し、何も日本に限った話ではありません。上で書いたように今回問題だったのは、規制の判断基準が明確でなかったことでしたが、今回これはある程度解消されたと思います。
今後同様の事例が発生し、その投資の目的が短期のリターンを追及しているものと断定できないときには、政府はその会社への投資を認めざるを得ないでしょう。(認めなかった時は、外資は日本への投資を見直すかもしれません)
※1・・米国では航空・通信・海運・発電・銀行・保険・不動産・地下資源・国防という9分野において、外資による投資を規制しています。
詳しくは、http://www.jetro.go.jp/biz/world/n_america/us/invest_02/
- [2008/04/16 22:39]
- 話題の企業・業界 |
- Trackbacks(1) |
- Comments(0)
- ≪新興国の食料価格高騰は深刻
- | HOME |
- 為替は水物≫
- | HOME |
Trackbacks
Trackback URL
http://stockkabusiki.blog90.fc2.com/tb.php/315-a5bba240
Jパワー買収問題の核心は大間原発か?
英投資ファンドTCIによるJパワー株の追加投資計画に日本政府が待ったをかけた。問題の核心はやはり大間原発だろう。

Comment Post