業種別ROE(自己資本利益率)の推移(14/3〜19/3)
東証のデータより過去6年分の全業種合計及び業種別ROE(自己資本当期純利益率)を集計しましたので公開いたします。なお、20/3月期についてはデータが発表されしだい追加いたします。
ROEも資本の効率性を表す重要な財務指標ですので、投資を検討する際に見ておいたほうがいいものの一つです。

これは企業の資本の生産性(効率性)を示す最も代表的な財務指標として用いられ、特に欧米の会社はこの数値をいかに上げるかということが経営上の重要な目標となっています。
米国のS&P500種インデックスに掲載される会社の平均ROEは2006年で約17%とされていますので、日本企業の平均と比較してみると階差が大きいことがわかります。
ROEの分解式
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ROE=純利益/自己資本=純利益/売上高×売上高/総資産×総資産/自己資本 A × B × C ROA |
B・・総資本回転率
C・・自己資本比率の逆数(=財務レバレッジ・・・自己資本と比較して他人資本(借入金等)を加えた総資産が何倍になるかを示す数値)
分解式から分るように、Cの財務レバレッジが大きいほどROEが高くなることになります。先に書きましたがROEは資本の効率性を示し、自分のお金(自己資本)だけでなく外から借り入れたお金(他人資本)でレバレッジを積み上げた結果、有効に利益に結びつることができれば数値が上がります。
機会があればこれも数値としてまとめようと思っているのですが、日本の上場企業のROAの伸びは著しいのですがROEについては米国との差があまり縮まらないことから分るようにそれほど伸びていませんし、歴史的にも米国と比較して低水準に留まります。
これは日本企業の自己資本比率が上昇していること(=財務レバレッジの低下)が原因ですが、この結果の良し悪しについては判断が分かれると思います。他人資本の積極的な導入で自己資本比率を下げ、財務レバレッジを利かせた結果である高ROEは、その分だけ財務的なリスクを冒した企業であるともいえるからです。
資本の効率性と自己資本の充実は基本的にトレードオフの関係にありますので、適度なバランスを計るという意味において、ROEと自己資本比率の検討は投資において避けて通れないと私は考えています。両者の関係を単純化すると、ROEは攻めの指標、自己資本比率は守りの指標であるとの見方もできると思います。
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東証上場企業のROEの推移についてですが、14/3期についてはバブル後の最終調整だった時期でもありますが、特に電気機器と通信業の巨額な最終赤字のために合計の純利益がマイナスを記録。その結果平均ROEもマイナスとなってしまっています。
その後は順調に増加傾向にありましたが、19/3期で5期ぶりに前期比マイナスに転じていますので、もしかしたら現在の日本企業にはROE10%の壁があるのかもしれません。
米国をみれば分るようにモノ言う株主たちはROEを重視し、高ROEを達成できない経営者に対しては圧力をかけてこれを是正させようとします。具体的には自己資本が高い企業に対して積極的な自社株買いや増配を提案することが多いです。こうした株主分配は内部留保の取り崩しですので自己資本を直接的に下げる効果があり、ROEを高める効果があります。
現在では日本においても外資の売買比率が6割を超え、株式の保有割合を高めてきていますので、外資ファンドに代表されるモノ言う株主の存在感が高まってくれば、必然的に日本企業のROEも高まってくると思います。そしてこれも米国の歴史が教えてくれるように、高ROE企業だからといって、それがそのまま投資先として魅力的かといえばそうでもなかったということを心に留めておかなければならないと思います。
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- [2008/05/11 23:25]
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Comments
非常に見やすいまとめに感謝です!
投資する際にはちゃんとチェックします。
ちょっと見て思ったのですが、輸送用機器って非常に安定したROEを残しているんですね。
さすがは、トヨタやホンダですね。こういった企業をみつけた先に投資して長くつき合いたいですね。
投資する際にはちゃんとチェックします。
ちょっと見て思ったのですが、輸送用機器って非常に安定したROEを残しているんですね。
さすがは、トヨタやホンダですね。こういった企業をみつけた先に投資して長くつき合いたいですね。
仰るように、ここ5〜6年でみたら輸送用機械のROEは安定してますね。
例えばトヨタの負債の資金調達手段は最高級の高格付けを利用した社債がメインですので、何といっても調達コストが安いです。
資金需要があるのは主にファイナンス部門で、その金額もかなり多いのですが、低コストで調達できた資金を効率よく利益に結び付けているので、ROEもやはり同業他社と比べて高いですね。
この業種で私は1つだけ気になる会社があるのですが、まだ判断が付きかねています。
例えばトヨタの負債の資金調達手段は最高級の高格付けを利用した社債がメインですので、何といっても調達コストが安いです。
資金需要があるのは主にファイナンス部門で、その金額もかなり多いのですが、低コストで調達できた資金を効率よく利益に結び付けているので、ROEもやはり同業他社と比べて高いですね。
この業種で私は1つだけ気になる会社があるのですが、まだ判断が付きかねています。

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