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個人投資家がたどる5つのステップ

なぜか日本人が知らなかった新しい株の本(山口 揚平著)で書かれていたことですが、個人投資家は5つのステップがあるらしいです。
同著は個別株投資初心者向けに書かれているものですので、ステップといっても個別株投資でのみ当てはまることでしょうが面白い話ではあります。

周囲の声に押されてとりあえず株を始める入門者
まあ、そのままですね。

口座を開いたら第2段階に入ります
同著によれば、この段階の投資初心者が好む銘柄として国際優良株が多い傾向にあるとしています。

第3段階は、書籍や雑誌を読み、その推奨銘柄を好んで読む段階です。
同著よれば、この段階では「株主優待」や「配当」といったものに好んだり、自分ならではの将来予測に基づいて投資を行う人が多いとしています。

第4段階は、一般的な株式投資の指標を重視して株を買う段階です。
同著によれば、この段階では「PER」や「PBR」などを重視し、そこそこの知識が身に付いてはいるけども、指標の持つ本質的な意味にあまり気が付いていないのが特徴だそうです。

最後の第5段階は、会社の本質価値に基づいて投資をする段階です。
同著によれば、この段階に入ると、会社の価値についてある程度の確信があるので、もはや日々の株価に動じなくなるそうです。

なぜか日本人が知らなかった新しい株の本(山口 揚平著)  P3〜P7より抜粋引用

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私は株式投資の楽しさの一つは、自分なりの価値判断基準でみた価格と実際に市場で付けられている時価(株価)との比較を楽しむことだと思います。上記5段階目に書いてある「本質価値」とはいってみても、その「本質」の算出基準のグローバルスタンダードなどはありませんから、あくまで「主観的」な部分が入り込みます。
価値の算出手法としては、類似会社と比較する「類似企業比較法」や将来の企業キャッシュフローを現時点で割り戻して企業価値を算定するディスカウント・キャッシュフロー(DCF)法が代表的で、例えば、DCF法はファイナンス学習者が大好きな「割引現在価値」を使って価値を算定するのですが、多分に分析者の主観を含みます。

この手法では会社の5年後、10年後の将来キャッシュフロー(≒キャッシュフロー成長率)を見積もることが算定上求められますが、これを「未来予想図」と言わずして何というのかと思います。上記の3段階目にあたる部分の説明として、「自分ならではの将来予測に基づいて投資を行う人が多い」という部分には、本の文脈からして何かネガティブな印象を受けますが、むしろ私は、これが個別企業に投資する際には重要なことだと思っています。上記最終段階の企業価値算定についても、自分の主観的な企業未来予想図を元に将来キャッシュフローを割り戻すわけですから。

私もDCF法で投資の際の参考にするために計算しますが、最も気をつけているのが単なる数字遊びに終始し、計算したことで満足しないということ。計算が複雑であればあるほどこうした「罠」にかかりやすくなると思います。上記4段階の説明で、「指標の持つ本質的な意味にあまり気が付いていない」とありますが、これはそのまま最終段階にある投資家にも当てはまると思います。企業価値算定で用いる各種データの本質的な意味に気づいている人ってそんなに多くないのではないでしょうか(私もよく分りませんが)。ただ、日々の株価には動じなくなる人は多いかもしれませんね。ですが、その裏づけとなっている価値算定が「本質価値に基づいて」いると断言できるのはバフェット氏のような本物か、知ったつもりになっている人のどちらかでしょう。

一般の投資家が株式投資で求めてるのはまずリターン、そして人によっては投資に社会的な意義を感じ、そこに楽しさを感じる人もいると思います。それに加えて私のように自分なりの価値判断基準でみた価格と実際に市場で付けられている時価との比較を楽しむ人もいるでしょう。
ただ、本質価値算定作業だけだと投資は実に味気ないものであると言わざるを得ません。私の言う「自分なりの価値判断基準」とは、自分なりの会社の未来予想図も含めたものであり、DCF法でいう「本質価値」とは多少ニュアンスが異なります。そして、この会社の未来予想こそが重要で投資の楽しさに結びついてくる部分だと思います。私は3年前にGoogleに投資する際にDCF法での計算を試みましたが、できませんでした。それは同社が生み出すであろう将来キャッシュフローが全く読めなかったからです。この手法に囚われていれば同社に投資することも無かったと思います。

結局、個別株投資家の最終的な段階が企業の価値に基づいて行うというのはおそらくそうでしょう。ただ、この段階であっても、自分の価値算定に過度な自信を持つのは避けるべきだと思います。企業の将来予測は楽しい作業ではありますが、どんな優良企業であっても一寸先は闇ですから。ましてや超長期の将来キャッシュ予測など不可能です。

[付記]
紹介した本のイントロ部分だけをとって少しケチをつけてますが、この本は素晴らしい内容だと思っています。私が読んだ初心者向けの投資本の中でも特におススメできる本だということを付記しておきます。

DCF法については道具としてのファイナンス(石野 雄一著)などで紹介されているかなりメジャーな企業価値算定手法ですが、この手法は継続・安定的に業績を拡大させる(であろう)企業にしか使えない手法であると個人的には考えます。ただ、投資の際の参考にはなります。

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