責任を取れない大人たち
2008.11.22 マネーのエトセトラ 最近何かと話題の以下の二つのニュースに共通するのは『無責任』。まずは今では何がビックか分らない米国のビックスリーに対する救済のお話から。
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自動車産業は米国の経済を牽引(けんいん)してきた。労働人口の10人に1人、約1300万人が自動車関連分野で働く。フォード・モーターのムラーリ最高経営責任者(CEO)は「3社のうち1社でも破綻すれば自動車部品、ディーラーに連鎖し、1年以内に最大300万人が失業する」と危機感をあおった。 企業のトップが、プライドもかなぐり捨て「破綻」に言及してまで国に助けを求めたのだが、自らの経営責任を認めたのは誰一人いなかった。 −【金融危機】ビッグ3存亡の危機 救済か否か、米国を二分/msn産経ニュースより抜粋− |
もう一つは今ネットでも話題の民事再生手続きを申請中の九十九電気の無念のプレスリリースから抜粋。
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NECリース株式会社の大株主である日本電気株式会社様とは、30数余年に及ぶ取引をさせていただき、大変多くのパソコンを販売させていただきました。また、弊社の社員にもたくさんのNECファンがおります。その日本電気株式会社様の関連企業が、民事再生法の下、取引先様、お客様、そして社員が精一杯再建に努めている弊社に対し、営業を一度中止せざるを得ない行動を取られたことが残念でなりません。 −九十九電気プレスリリースより抜粋− |
←消される可能性があるので画像で保存しています。経緯を簡単に書くと、競争激化による利益率の低下による資金繰りの悪化で経営が行き詰まり(つまり経営の失敗)民事再生手続きを申請した同社だったのですが、再出発しようとした矢先にNECリースが担保権を行使し倉庫内の商品を根こそぎ持っていかれたので営業ができなくなって無念。ということ。
人情としては九十九電気頑張れ!とも思いますが、一番責任を感じなければならないのは同社の経営者です。担保権の行使は債権者として当然の行為で、実行できるのに何もしなければ逆にNECリースが株主から責任を問われてもおかしくありません。同社は東証一部に上場し普通の会社よりも厳しく株主責任を問われるわけですから。
この二つの出来事から『責任』とは何なんだろう、とふと考えました。『自己責任』と置き換えてもいいです。
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自己責任とは、何かしらの行動を起こすにあたり、多くの情報の中から自分の責任で意思決定し、そこから得られる成功も失敗も全て意思決定者が甘受することである。 By ぐっち |
投資の世界では自己責任ということが、これでもか!という感じでさかんに喧伝されています。
ところが、私は、その自己責任とは何であるか、というところまで触れているものを見聞きしたことがありません。言及するまでもなく当たり前だということなんでしょうか?
例えばある会社に投資するにあたっては普通であれば多くの情報を確認すると思いますが、会社側からはIRや客観的事実としての決算情報が発信され、日々の報道でも会社業績に影響を与えるかもしれない経済情勢やその会社が属す業界を取り巻く状況が、そのほか、債権者、債務者、株主、従業員、取引先、その他多くのステークホルダーから、あるいは、Yahoo!や2ちゃんねるといった掲示板を含めて多種多様な情報が発信されています。
そんな多くの情報の中から自分の判断で有用なものを取捨選択し、最終的な意思決定(投資するor投資しない)を主体的に行うというのは案外難しいことなのかもしれません。雑多で多様な情報というものは主体的な意思決定のための補完的意味しか持たないということを理解していない人が多い気がするからです。
いくつかの情報の中からある一つを抜き取って合点し、その情報を鵜呑みにしたり自分の考えであると思い込んで単純にフリーライドする行為は私が考える自己責任ではありません。最終的な決定さえ行えば自己責任は果たしたという考えには同調できません。
そういう人に多いのが、投資が失敗した場合に、自分が勝手に鵜呑みにした情報を提供した者を非難すること。情報の取捨選択と自己の経験や信念に基づく意思決定はセットでなくてはならないという私の考えからすれば、投資の失敗は全て己の責めに帰すべきということになります。
投資リスクとそれに伴い将来得られる果実が実る過程を楽しめる余裕を持てない人ははじめから投資家としての資質を欠いているのではないでしょうか。
冒頭の九十九電気のプレスリリースに対して私が抱いた違和感もこうした投資の自己責任と同一線上にあって、己の経営の失敗を棚に上げて正当な担保権の行使を行ったNECリースに対する恨み言を世間一般に公言する態度は責任転嫁であって無責任です。例えは悪いですが、某プロデューサーのように金を騙し取っていながら相手に対して逆切れして反訴した結果、当然に負けて恥の上塗りをしたこと連想しました。借りたカネを返せなかった以上、相手方にしてみれば騙されたのと同じことです。
困窮して初めて人となりが分るということなんでしょうが、最近そういったニュースやブログをよく目にします。
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