最近一日一回は『
リスク許容度』という用語を資産運用系のブログ、ニュースコラム、マネー誌などで目にしている気がします。ちょっと食傷ぎみです。
現在の株安、特に海外分散投資で国外投資比率が高かったりすると円高とのダブルパンチで壊滅的なダメージを受けている人も多いのでしょうが、そうした状況になってあらためて『
投資リスク』を再認識した人が多いということなんでしょうね。
リスク許容度を単純にその人が許容できるリスクの範囲のことであるとすれば、余裕資金で投資を行っている限りリスク許容度を考える必要は無いのではないかと私は考えてしまいます。たとえ証券が無価値になったとしても余裕資金で賄っているのですから極論を言えば投資金額全額を失うリスクをも許容できるはずです。
そもそも投資とは出資した金額を限度とするリスクを誰しもが負うもので、例えば個別企業に対する投資だと、倒産すれば株券は一瞬で紙くずとなります。そしてこれが有限責任たる株式投資リスクの全てです。
いくら余裕資金で投資しているにしても、一瞬で投資資金を失わないためにいくつかの銘柄に分散してリスクの低減を図るのが投資の王道(常識)であるとされ、私もそう思います。つまり、分散の意義はリスクを低減させることにあり、リターンの極大化を図ることではないということです。会社を見る目が神がかり的に優れていれば1社だけに集中投資というのが最も効率的ですが、私を含めて多くは凡人ですので程度の差はあれリスクを分散させざるを得ません。
分散させたとしても個別企業の倒産リスクや業績悪化による暴落リスクからは避けられないので、例え全てを失ったとしても通常の生活ができる範囲の余裕資金で投資を行うべきだというのは、個別のリスクを実感しているだけにおそらく中長期個別株投資家であれば多くの人が理解しているのではないかと思います。理解はしているけども余裕資金たる投資資金を失って退場する人は多いですが。
ところが、投資信託やETFなど、多くの銘柄がパッケージ化された投資商品を買っている人の中には個別企業のリスクを実感できないため株式投資本来の有限責任の原則を忘れる人がいます。多くの銘柄に分散されているのだから個別企業のリスクは考慮しなくても関係ないと考えているのでしょうか。
個別企業の株式が籠に盛られることで資産運用のツールと化し、リスクがどうの期待リターンがどうのとあれこれ計算してみたりしますが、どれほど当たるものなのでしょうか。
また、運用に際してリターンから考えるかリスクから考えるかということで悩んでいる人を見かけますが、リターンを第一に追及しない、もしくはリスクを過度に恐れる態度はそもそも投資ではない気がします。リスクを過去の資産クラスの相関関数をベースとして計算上可能な限り極限まで押さえ、そこから期待リターンなるものを算出し持続的な資産形成を目指す態度は資産運用であって投資ではないというのが私の持論です。資産運用だからこそ『リスク許容度』という言葉がよくでてくるのだと思いますがよく分かりません。