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個人金融資産の各国比較−2008年版

2009.08.14 経済・金融・法制
2008年末段階の個人金融資産の主要国比較データを集計しました。
毎年ブログでアップしているもので、今回で3回目となります。昨年は金融危機が世界を襲いましたが、その影響で大変興味深い結果となっています。
参考:個人金融資産の各国比較(2007年版)

個人金融資産各国比較2008年1
※単位(兆円)
※第一生命経済研究所(http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/data/data_lib.html)のデータを参照した。
※適用為替レートも同データに準拠し、1$=90.28円 1£=130.32円 1€=127.01円 とした。


参考リンクを付した2007年版のデータと比較すると、日本の現金預金比率が50.8%から55.5%へ大幅に増加しています。実は、現金預金比率の上昇は日本だけではなく5カ国すべてに共通することです。これは現金や預金は金融危機によっても時価にほとんど影響を与えないため、相対的な割合が上がったものであると推測できます。

各国の金融資産ポートフォリオ
金融資産ポートフォリオ円グラフ
各国の金融資産の保有割合を円グラフで表したものです。
これは一国全体としてみた金融資産ポートフォリオのようなものですが、各国の特徴がでていて面白いですね。
日本人は預貯金大好きで株や債券といったリスク商品をあまり持ちたがらない傾向にあるようです。米国人は満遍なく金融資産を分散させています。英国人は英国が近代保険産業の発祥国で、現在でも保険業が基幹産業に位置づけられているだけあって保険の割合が突出しています。こうした違いは、リスクや金融商品に対する考えの違い、そして金融市場の発展度合いによって、各国の国民の金融商品に対する取り組み方が異なるからでしょうか。

個人金融資産各国比較正味金融資産2008年2
正味金融資産とは金融資産の合計から負債を差し引いたものです。
すべての国で減少しています。日本は相対的に預貯金の保有割合が大きいため他の国々と比較して減少幅が小さくなっていますが、その他の国の減少幅は半端ではありません。
(日本▲9.6%、米国▲30.8%、英国▲51.8%、ドイツ▲27.2%、フランス▲27.1%)
もっとも、これは為替レートの影響もありますが、特に金融資産が半分以下になった英国は散々たるダメージを負いました。

個人金融資産各国比較現金預金2008年3
相変らず日本は世界一の現金預金保有国です。しかも、2007年と比較して2008年では純額が増加し、さらに地位を磐石なものにしました。

個人金融資産各国比較現金負債比較2008年4
2008年末段階での国民一人当たりの現金預金保有高と負債の比較です。
これをみると、日本人はリスク資産を極度に避ける傾向に加えて堅実な消費を心がけているなとも感じます。国民性もあるのでしょうが、米国人の過剰な負債をみると大丈夫なのかと老婆心ながら心配してしまいます。

個人金融資産各国比較一人当たり金融資産2008年5
最後は国民一人当たりの正味金融資産です。
2008年末の段階では日本は米国を追い抜き、一人あたりでは主要国中最大の金融資産を保有しています。正確には、他国が勝手に転落していっただけのことなのですが。
金融市場が活況を呈している時期には、日本人は金融リテラシーが低いから預貯金ばかりで損をしている、などとよく言われました。しかし、不況期には大崩れしないという強さがあるのも事実です。

どちらを取るかは人それぞれです。預貯金以外の商品に投資する人は、こうした暴落リスクもあることを念頭においておく必要があります。金融リテラシー先進国と言われた英国のこのありさまをみてしまうと、安易に国民を投資へ誘うのは無責任なような気がします。投資の本当のリスクを知るということは口で言うほど簡単ではありません。


なお、現在では2008年末と比べて主要国市場の株価が上昇し、為替も円安に振れているため、一人当たりの正味金融資産高は日本はまた米国に追い抜かれている可能性が高いです。2008年に表面化した歴史的な金融危機による混乱が単なる一過性のものなのか、そうでないのかがハッキリとわかるのはもう少し先になってからでしょう。

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相互リンク先「投資十八番」のぐっちさんが興味深い記事をエントリーしていましたので

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