11.12.2007
なぜ株式投資はもうからないのか
保田隆明氏のなぜ株式投資はもうからないのか [ソフトバンク新書]を読みました。
挑発的な題名もそうですが、保田氏は投資事業組合とは何かという素晴らしい著作(共著)があり、買っておいても損は無いだろうと思い、勢いで買ってみました。
新書で200ページちょっとのボリュームですので、2時間程度で読み終わりました。
読み終わった後の正直な感想を言えば、『時間を返せ!』と言いたくなる内容。掻い摘んで著書の内容を紹介すると、
・株式投資を始める人の動機として、株式投資をするために勉強している自分の姿に満足する傾向が多い
・一般の投資家は機関投資家より情報獲得能力と時間に差があり絶対的に不利
・株式投資はお金持ち優位の世界で、一般の株主は彼等の資産膨張に貢献している
とまあ、こんな感じです。
株式投資を始める動機は人それぞれであり、社会経済を勉強するために株式投資を始めても、それはそれで良いと私は思います。現に私も、株式投資を始めた動機は経済原理を知るために学生時代に始めたのがそもそもの発端です。
いくら勉強のためとは言え、株式投資で大損しても『勉強している自分の姿に満足する』人なんていないでしょう。損を出したり、益を出したりしながらも少しずつ成長していければいいんじゃないかなと。
最も違和感を感じたのが、『一般の投資家は機関投資家より情報獲得能力と時間に差があり絶対的に不利』とする著者の考え。これには全く同意できません。
まず、機関投資家とはファンドを運営するファンドマネジャーに代表される人(機関)を指しますが、そもそもファンドマネジャーってそんなに株式投資で儲けているのでしょうか?
投資の科学によれば、金融先進国の米国でさえ、1991年から2005年までの15年間で、ミューチュアルファンドが市場(S&P)に勝った確率は44%でしかなかったと書かれています。米国でさえこんな状態なのですから日本のファンドマネジャーの運用状況は推して図るべきです。。
ファンドマネジャーが『市場』に負ける理由は、頻繁な売買(回転率の高さ)にその原因があるということが上記著書(投資の科学)で多くのデータと共に紹介されています。
保田氏が証券会社出身であることが関係有るかどうか分かりませんが、こうした現実を直視せず、情報のバイアスが株式投資の勝ち負けを決めるとの考えには説得力がありません。
そして最終章に至ると更に圧巻です。「知のオープンソース」とか「WEB2.0」とった言葉が出てきて、一般投資家は個々人の集合知によって機関投資家に互することが可能で、情報格差が無くなる時代が来るであろうと述べられています。
これもおそらく、かつてSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を実際に起業していた保田氏の知識の披露なのでしょうが、全くチンプンカンプンで、意味不明。機関投資家と一般投資家の間の情報のバイアスは確実にあると思いますが、上で書いたように情報バイアスが多少株式投資の勝敗に関わっているにしても、それは短期売買での話であると私は考えていますので、例え情報格差が無くなったとしても、投資に対するスタンスが変わらない限り一般投資家の勝率が上がることはないと思います。(もっとも、情報格差が無くなるとはとても思えませんが)
日経平均株価を過去30年でみてみた場合、バブルやその崩壊といったものを押しなべても、年率で4.22%上がっていて、配当金を含めると年率5.4%のリターンを得られたとこの著書で述べられています。
平均でも5.4%のリターンが得られた株式投資に対して、『なぜ株式投資はもうからないのか』という結論有りきの切り口はどうなんでしょう?
更に言えば、なぜ機関投資家に勝つ必要があるのでしょうか?
バリュー投資の祖ベンジャミン・グレアムさんもこう言っています。
個人投資家にできないことは「プロのゲームでプロに勝つこと」。
自分のゲームで自分にコントロールできることで勝てば良い
と。
戦う相手が間違ってますよね^^;
読み終わってすぐの正直な個人的な感想です。。読む人によって違った見方もあると思います^^;
挑発的な題名もそうですが、保田氏は投資事業組合とは何かという素晴らしい著作(共著)があり、買っておいても損は無いだろうと思い、勢いで買ってみました。
新書で200ページちょっとのボリュームですので、2時間程度で読み終わりました。
読み終わった後の正直な感想を言えば、『時間を返せ!』と言いたくなる内容。掻い摘んで著書の内容を紹介すると、
・株式投資を始める人の動機として、株式投資をするために勉強している自分の姿に満足する傾向が多い
・一般の投資家は機関投資家より情報獲得能力と時間に差があり絶対的に不利
・株式投資はお金持ち優位の世界で、一般の株主は彼等の資産膨張に貢献している
とまあ、こんな感じです。
株式投資を始める動機は人それぞれであり、社会経済を勉強するために株式投資を始めても、それはそれで良いと私は思います。現に私も、株式投資を始めた動機は経済原理を知るために学生時代に始めたのがそもそもの発端です。
いくら勉強のためとは言え、株式投資で大損しても『勉強している自分の姿に満足する』人なんていないでしょう。損を出したり、益を出したりしながらも少しずつ成長していければいいんじゃないかなと。
最も違和感を感じたのが、『一般の投資家は機関投資家より情報獲得能力と時間に差があり絶対的に不利』とする著者の考え。これには全く同意できません。
まず、機関投資家とはファンドを運営するファンドマネジャーに代表される人(機関)を指しますが、そもそもファンドマネジャーってそんなに株式投資で儲けているのでしょうか?
投資の科学によれば、金融先進国の米国でさえ、1991年から2005年までの15年間で、ミューチュアルファンドが市場(S&P)に勝った確率は44%でしかなかったと書かれています。米国でさえこんな状態なのですから日本のファンドマネジャーの運用状況は推して図るべきです。。
ファンドマネジャーが『市場』に負ける理由は、頻繁な売買(回転率の高さ)にその原因があるということが上記著書(投資の科学)で多くのデータと共に紹介されています。
保田氏が証券会社出身であることが関係有るかどうか分かりませんが、こうした現実を直視せず、情報のバイアスが株式投資の勝ち負けを決めるとの考えには説得力がありません。
そして最終章に至ると更に圧巻です。「知のオープンソース」とか「WEB2.0」とった言葉が出てきて、一般投資家は個々人の集合知によって機関投資家に互することが可能で、情報格差が無くなる時代が来るであろうと述べられています。
これもおそらく、かつてSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を実際に起業していた保田氏の知識の披露なのでしょうが、全くチンプンカンプンで、意味不明。機関投資家と一般投資家の間の情報のバイアスは確実にあると思いますが、上で書いたように情報バイアスが多少株式投資の勝敗に関わっているにしても、それは短期売買での話であると私は考えていますので、例え情報格差が無くなったとしても、投資に対するスタンスが変わらない限り一般投資家の勝率が上がることはないと思います。(もっとも、情報格差が無くなるとはとても思えませんが)
日経平均株価を過去30年でみてみた場合、バブルやその崩壊といったものを押しなべても、年率で4.22%上がっていて、配当金を含めると年率5.4%のリターンを得られたとこの著書で述べられています。
平均でも5.4%のリターンが得られた株式投資に対して、『なぜ株式投資はもうからないのか』という結論有りきの切り口はどうなんでしょう?
更に言えば、なぜ機関投資家に勝つ必要があるのでしょうか?
バリュー投資の祖ベンジャミン・グレアムさんもこう言っています。
個人投資家にできないことは「プロのゲームでプロに勝つこと」。
自分のゲームで自分にコントロールできることで勝てば良い
と。
戦う相手が間違ってますよね^^;
読み終わってすぐの正直な個人的な感想です。。読む人によって違った見方もあると思います^^;
08.14.2007
学んで思わざればすなわち罔し
私は読書が好きで、かなりの量の本を読みます。
投資関連の本はもちろん読みますが、最近では1年で5〜6冊読めばいいほうで、それほど多い方ではないと思います。素晴らしいブロガーさんが推す本などで、まだ読んでいないものについてはちょくちょく買っています。
投資本は当たりはずれが大きいので、この方法は結構おススメです。多くのブロガーさんが推す本は大抵いい本です。それが自分の投資スタンスに合致するかどうかは分かりませんが、それでも一読の価値ある本が多いのです。
津田左右吉さんという著名な歴史学者はこういっています。
『本というものは、僅か数行でも役に立てば、それだけで十分ねうちのあるものだ。』と。
投資本はためになりますが、如何せん読むのに疲れます。蛍光ペンや付箋などが必需品でなんか受験生になった気分になってしまいます。(それはそれで楽しかったりするんですが^^)
私は出張が多く、本は必需品ですが、出張時には投資本はまず読みません。ノンフィクションや古典、歴史が好きでこれらの本を貪り読んでいます。
古典は中国の四書(「論語」「大学」「中庸」「孟子」)、日本は古事記、日本書紀、西洋はギリシャ・ローマ古典文学・哲学が好きで、気に入った本は何度でも読み返します。
余談ですが日本史は結構マニアックな(?)領域に達していて、例えばWIKIPEDIAの『古事記』の頁は私が執筆した部分があります。
古典は読み物としてもちろん面白いのですが、洋の東西を問わず、時代を問わず人間の普遍性を知ることができて非常に考えさせられます。
千年以上も読み継がれてきたものでありながら、現在でも読むに堪えうるというのは尋常ではありません。人間の持つ普遍的な考えから、共感できる『何か』をこれらの古典から得ることは、遠い昔の先祖に想いを馳せる貴重な時間を体験できます。
約1500年前に孔子はこう言っています。
『学んで思わざればすなわち罔し。思うて学ばざればすなわち殆うし』
何かを学んでも考えることなしには身に付かないし、考えても学ばなければ危険だよってこと。孔子のいう『学』とは優れた他者に教えを請うこと。
2800年前にギリシャの詩人ホメロスは代表作『イリアス』の中でこう言っています。
『いかなる者であっても己自身にてすべてをなし得ず』
どんな人であれ、自分一人でいくら頑張っても、完璧には成し遂げられないよってこと。
昔から『賢人』とは、自分で何でもできる天才肌の人ではなく、優れた他者に教えを請いつつ、自分で考えることができる人を指していたのです。そもそも完璧な人間などいないのですから、努力した人としない人の差が結局大きな差となって自分に跳ね返ることになります。(昔の人もそう信じていたのです。)
優れた人に聞くなり、良著を読むなり、人によって『学』の手段は異なるでしょうが、一歩前に進まないと成長はありません。これは自分に言い聞かせていることです^^
投資関連の本はもちろん読みますが、最近では1年で5〜6冊読めばいいほうで、それほど多い方ではないと思います。素晴らしいブロガーさんが推す本などで、まだ読んでいないものについてはちょくちょく買っています。
投資本は当たりはずれが大きいので、この方法は結構おススメです。多くのブロガーさんが推す本は大抵いい本です。それが自分の投資スタンスに合致するかどうかは分かりませんが、それでも一読の価値ある本が多いのです。
津田左右吉さんという著名な歴史学者はこういっています。
『本というものは、僅か数行でも役に立てば、それだけで十分ねうちのあるものだ。』と。
投資本はためになりますが、如何せん読むのに疲れます。蛍光ペンや付箋などが必需品でなんか受験生になった気分になってしまいます。(それはそれで楽しかったりするんですが^^)
私は出張が多く、本は必需品ですが、出張時には投資本はまず読みません。ノンフィクションや古典、歴史が好きでこれらの本を貪り読んでいます。
古典は中国の四書(「論語」「大学」「中庸」「孟子」)、日本は古事記、日本書紀、西洋はギリシャ・ローマ古典文学・哲学が好きで、気に入った本は何度でも読み返します。
余談ですが日本史は結構マニアックな(?)領域に達していて、例えばWIKIPEDIAの『古事記』の頁は私が執筆した部分があります。
古典は読み物としてもちろん面白いのですが、洋の東西を問わず、時代を問わず人間の普遍性を知ることができて非常に考えさせられます。
千年以上も読み継がれてきたものでありながら、現在でも読むに堪えうるというのは尋常ではありません。人間の持つ普遍的な考えから、共感できる『何か』をこれらの古典から得ることは、遠い昔の先祖に想いを馳せる貴重な時間を体験できます。
約1500年前に孔子はこう言っています。『学んで思わざればすなわち罔し。思うて学ばざればすなわち殆うし』
何かを学んでも考えることなしには身に付かないし、考えても学ばなければ危険だよってこと。孔子のいう『学』とは優れた他者に教えを請うこと。
2800年前にギリシャの詩人ホメロスは代表作『イリアス』の中でこう言っています。『いかなる者であっても己自身にてすべてをなし得ず』
どんな人であれ、自分一人でいくら頑張っても、完璧には成し遂げられないよってこと。
昔から『賢人』とは、自分で何でもできる天才肌の人ではなく、優れた他者に教えを請いつつ、自分で考えることができる人を指していたのです。そもそも完璧な人間などいないのですから、努力した人としない人の差が結局大きな差となって自分に跳ね返ることになります。(昔の人もそう信じていたのです。)
優れた人に聞くなり、良著を読むなり、人によって『学』の手段は異なるでしょうが、一歩前に進まないと成長はありません。これは自分に言い聞かせていることです^^
06.24.2007
ウォール街のランダムウォーカー
ウォール街のランダムウォーカー[原著第9版]を読み終えました。
実はこの本、数年前に読んだことがあったのですが、内容はほとんど覚えていませんでした^^;
多くのブロガーさんが推している本ですので、新版が出たこともあり、この度もう一度読んでみることにした次第です。
この本では、様々なデータを示しながら『インデックス投資』が投資家にとって、長期的にみて素晴らしいパフォーマンスをもたらすとの著者の考えのもと、チャートを使った投資家(チャーティスト)やファンダメンタル投資家(ファンドマネジャー)などを切って捨ててます。
過去素晴らしい成績を収めたファンドマネジャーでも、次期以降にも素晴らしい成績を収める保障はなく、むしろ成績が悪化する可能性が高い事などを各種データで示すことで、結局プロでも恒常的には市場(インデックス)に勝てないのだから株式市場の平均リターンを得ることできるインデックス投資を行ったほうがいいよと薦める内容となっています。
内容が簡明で読みやすく、データ等が豊富で内容が濃いことからこの本は名著といえると思います。
実はこの本、数年前に読んだことがあったのですが、内容はほとんど覚えていませんでした^^;
多くのブロガーさんが推している本ですので、新版が出たこともあり、この度もう一度読んでみることにした次第です。
この本では、様々なデータを示しながら『インデックス投資』が投資家にとって、長期的にみて素晴らしいパフォーマンスをもたらすとの著者の考えのもと、チャートを使った投資家(チャーティスト)やファンダメンタル投資家(ファンドマネジャー)などを切って捨ててます。
過去素晴らしい成績を収めたファンドマネジャーでも、次期以降にも素晴らしい成績を収める保障はなく、むしろ成績が悪化する可能性が高い事などを各種データで示すことで、結局プロでも恒常的には市場(インデックス)に勝てないのだから株式市場の平均リターンを得ることできるインデックス投資を行ったほうがいいよと薦める内容となっています。
内容が簡明で読みやすく、データ等が豊富で内容が濃いことからこの本は名著といえると思います。
06.14.2007
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![]() 新賢明なる投資家 上 バリュー投資の祖であり、かのウォーレン・バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムが書いた、古典的名著。時代に合わなくなった部分もありますが、現代に合わせたツバイクの注釈が付いていて、古さは感じません。投資をこれから始めようとする方は是非読んでみて下さい。投資をすでに行っている方でも今からでも遅くはありませんよ^^ |
![]() 新賢明なる投資家 下 |
![]() 貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント 若いうちにこの本と出合えた事は幸福であったと言えます。なぜなら、この本で解説されている方法での投資には非常に多くの時間を要するから。 |
![]() 会社四季報 2007年 3集夏号 [雑誌] 業績予測や簡潔にまとめられた各種指標の確認に便利で、非常に重宝します。この雑誌は何より、多くの人が読んでいるという事実が重要です。ここに記載されている情報は、投資家全員が知っている『事実』であると考えてもいいです。そういった意味でも重要。 |








![会社四季報 2007年 3集夏号 [雑誌]](http://ec1.images-amazon.com/images/I/31hT97Lf7lL.jpg)